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坪井栄孝先生の名文紹介
投稿日 : 2003/03/12 00:34
投稿者 ジーエフ91
参照先 http://www.med.or.jp/jma/jmaf.html
(^^)手元に、昭和53年2月28日発行の「安高 PTAたより」がありましたので、その中から紹介いたします。書いておられる方は、現・日本医師会会長の坪井永孝先生です。先生は、当時 PTA会長兼学年 PTA委員長でいらっしゃいました。
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○学年 PTAたより
第3学年 学年PTA委員長 坪井栄孝

この PTAだよりがでるころには大多数の3年生とそのご父兄にとってはまさに受験本番の真只中であろうと思います。私共の息子は三年間安積高校の生徒として立派に学業をおさめ、さらに新しい人生への出発にまさにとびたとうとしているところです。皆様方の脳裏には過去三年間のことさらにすぎし十有八年の諸々の事柄が走馬燈のように思いおこされていることと思います。そして、しかもこれからの方がもっときびしくもっと大切な時期なのだということを息子ともども自覚し、さらに頑張ろうと意を固めておられることと思います。この学年はとかく成績が前年度に比べて悪いとか学力がのびないとか言われてきました。しかし私はあの文化祭でみせた三年生の情熱、また駅伝マラソンでの三年連続優勝のバイタリティーをみてこんな素晴らしい学年は勿論いままではなかったし、おそらくこれからも出てこないだろうと自負しております。受験学年の三年生が駅伝マラソンのトップでゴールに入ってくるということは、そのままこの学年が非凡な素質を十分にもった将来大いに期待のもてる人間の集団であることがうかがわれるのです。それをうらずけるように文化祭以後、息子達のまなこからは鱗が落ちたような輝きがあらわれ、学業成績もドンドンのびているというではありませんか。文化祭のある年は云々というようなジンクスなど全く問題にせず、下級生をグングンひっぱって来た彼らの雄々しさに私は胸のつまる思いをしました。(続)
坪井栄孝先生の名文紹介(その2)
投稿日 : 2003/03/12 00:38
投稿者 ジーエフ91
参照先
(続)
 受験するものにとっては全員志望校合格ということがもっともいいことだと思いますし、就職するものにももっとも希望する職場への就業がのぞまれることではありますが、必ずしもすべてがよくいくとは限りません。みごと栄冠を獲得する生徒もあるでしょうし今回は不運にも目的を達し得ない生徒もあるだろうと思います。しかし、そのいずれもが彼らにとって通過せねばならぬひとときの青春の嵐であって人生の大きな流れの中での一こまにすぎないことをさとり、よりひろく大きな視野のもとで目的に向かって邁進すべきであることを、彼らにさとしてやろうではありませんか。
 このごろ職員室に行きますと生徒が長い列を作って受験書類を書いてもらっていますが、その先生の机の上に、食べそびれてドンブリからもりあがってしまったラーメンがおいてありました。また毎日昼食をとる時間もなく学年主任の顔が心もちこけたようにも思われました。三年間わが子以上に心配しつづけ、そしてまた今日さらに新しい門出に際しての心労の様子が察しられ、ただただ感謝申しあげるばかりでした。三年間本当に私ども息子のためにありがとうございました。校長先生はじめ全職員の皆様に心から御礼申しあげます。さて、息子たちの卒業とともに私たち三学年 PTAの活動も終わるわけですが甚だ不適格な学年委員長を今日まで務めさせていただきました三学年 PTAの皆様方の寛容さに深く感謝申し上げますとともに三年間の絶大な御協力に心から御礼申し上げます。
皆様方の御子息が健康で新しい人生に向かって雄々しく出発されますことを祈願いたし筆をおきます。
*ここまで−−−

 親になって思う親の恩ですネ。なお、坪井先生の御子息のE君は、昨夏の同期会の時、「父と同じ様なことやってます」と微笑みながら話をしてくれました。医療の最先端&医学教育の現場で活躍中です。
(^_^) 

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