広報部会・会報編集委員 特別寄稿 | |||||
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2021.02.24 コロナ禍に想う −コロナに打ち克つ−
東京桑野会広報部会 会報編集委員編 最初に東京桑野会の役員お二人が逝去されましたことをご報告し、深く哀悼の意を表します。昨年5月20日に会長代行の齊藤英彦さん(69期)、今年の1月17日に筆頭副会長の松豊さん(74期)がお亡くなりになりました。コロナ感染症ではなかったものの、お二人を失ったことは私にとっても当会にとっても大打撃な出来事でした。ご遺族の皆さまには、謹んでお悔やみを申し上げます。合掌。 当会のかじ取りはもう次の時代へと引き継がれました。3桁期の役員を選出し、実務を移行すべく、上石幹事長とも相談しているところです。コロナ禍でこの1年は無為に過ごしてしまいました。会の行事は全て中止され、同好会や個別の懇親会も実施されませんでした。何かできることはなかったのかと自問しましたが、回答がないまま現在に至っています。役員・幹事を代表しまして、私たちの無力さをお許し願いたく申し上げます。 最初に日本で新型コロナ感染症(COVID−19)の患者が発見されたのは、昨年1月初めのこと、中国・武漢から帰国した神奈川県の男性でした。そして海外渡航歴のないヒトからヒトへの感染例も昨年1月中旬には確認されました。この60歳代の男性は観光バスの運転手で、武漢からのツアー観光客と接触があったということです。同乗していたツアーガイドの女性も後に感染が確認されました。東京の屋形船集団感染とも併せ、中国・武漢がウイルスの発生源としての認知が定着しました。その後この未知のウイルスは猛威を振るい、全世界を恐怖に貶めたことは周知のことです。過去を紐解いてみると、歴史として思い浮かぶのは14世紀の欧州で発生したペストがありました。世界中で大流行し5千万人もの命を失ったと言います。今でこそネズミを媒体とするペスト菌が原因と分かりますが、当時は正体不明の『黒死病』として恐れられたわけです。近年でも約100年前に『スペイン風邪』という、今でこそA型インフルエンザウイルスの感染症と分かりますが、これも世界に流行して多くの命を奪っていきました。日本でも40万人が亡くなったと聞いています。人類は誕生してから数百万年が経過しましたが、常に病原体である菌やウイルス感染症との戦いでした。進化論で言えば、これらに打ち勝った免疫力のある種が生き残ってきたと言えます。 とは言え知恵も勇気もある21世紀の現代人は、これらの病原体の発生を予測し、防衛策も講じてきました。不衛生な環境を廃し、ヒトへ感染させる中間宿主を見つけて駆除する一方で、ヒトからヒトへの感染を防止するための手段や道具を発明し、治療薬やワクチンを開発しました。しかしながら未知の病原体は次から次へと発生し、変異しながら適応すべく進化を続けています。まるで高度な知識を持ったエイリアンのように、人類をあざ笑うがごとく襲ってきます。ここで現人類は滅びる訳にはいかず、知恵を絞って立ち向かわなければなりません。 しかしながらわが国の対応はいかばかりか、頼りない感を持つのは私だけでしょうか。過去流行した、2003年SARSや2009年新型インフルエンザのパンデミックの教訓は全く活かされず、日本政府は何をやっていたのか。世界規模の未知感染症拡大は、当然予測されていたのにも関わらず後手後手で、初期の対応はアジアの諸国と比較しても遅れを取ってしまいました。経済を優先した米国も然り、国民個人の衛生管理意識の差が日本との明暗を分けたに過ぎません。会報が届くころには決定しているでしょうが、東京オリンピック・パラリンピックのこの夏の開催は絶望的な状況です。欧米ではワクチンの一般接種が始まりましたが、急ごしらえの特効薬となるのか不明点も多い状況です。今後日本でも接種が始まりますが、この騒ぎが終息するには素人目に見てもあと2〜3年はかかるでしょう。わが東京桑野会の会員諸兄には年配者が多く、重症化リスクが高いため、まだまだ我慢の日々を過ごしたいと思います。 新型コロナ感染症が終息する時期は必ず来ますが、ロックダウンや自粛生活により引き起こされた経済活動の減速と破綻については、今後解決していかなければなりません。世界において社会全体の再構築をどのようにするべきか、国際的な大課題が残ります。河北新報の1月の「時評」欄にヒントとなる論説が掲載されており、その一部を引用します。(引用)『(前略)この1年で社会情勢は一変した。この1年を消去して、再び1年前に時間を戻してそこから始めたくなるのかもしれない。(中略)だがそれではこの1年の「コロナ騒動」とは何だったのか、という思いがしてくる。「コロナ」は、われわれに、自然と人間の関係、環境と人間のあり方を根底から考えなおすという課題を与えたのではなかったろうか。(中略)ウイルスは、地球上の生命体の誕生と共にあって、(中略)言い換えれば、人は常にウイルスと共存してきた。この共存のバランスが崩れると人間の身体もダメージを受ける。(中略)「コロナ後」は、経済の拡張によって欲望を満たすというより、人が自らの心身の養生に対して強い関心を払い、自らの生命を健康的なものに維持する時代になるべきであろう。』 (引用はここまで) コロナに打ち克つ。人類には明るい未来がある。希望を信じて一致団結しようではないか。 |
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